【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー

「死なないでくれ…」

「だから死んでないって!こんなにピンピン生きてる!」

「俺より先に死なないでくれ…。君まで失ったら…俺は…」

お父さんはまるで小さな子供のようだった。 隣に居た夏村さんは笑っていて、僕の手をひく。
全く、お父さんも子供だなぁ。

仕方がない。ここはお父さんに華を持たせてやろう。 「ジュース飲む」 そう言いながら見上げた夏村さんと一色さんは笑っていた。


本当は二人の気持ち知ってたんだ。でも悔しくって、デカひなたに意地悪をしてしまった。

僕はまだ7歳だ。もしかしたらデカひなたを幸せにしてあげるのには、時間が掛かってしまうかもしれない。 その長い時間の間にデカひなたは婆になってしまうかもしれない。

あんまり女を長く待たせるもんじゃない。結婚に失敗をしたおじいちゃんが言うには余りにも説得力がなさすぎるけど、僕早く大きくなるから。

お父さんの子供だ。お父さんより絶対に大きくなる。


デカひなたは馬鹿だからそのうちにお父さんに呆れられるに違いない。

そうなってしまったら余りにも不憫だと思う。 もしもお父さんに捨てられてデカひなたが路頭に迷ってしまったらそれは可哀想すぎる。

早く大人になって、迎えに行きたいと思う。 だからその間位お父さんと仲良くするのは許してやろう。

未来はまだまだ分からない事だらけだ。

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