【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
大袈裟に救急車に運ばれたと思いきや、大きな怪我は無し。
気を失ってしまった事が悔やまれる。そのせいであの子に余計な心配を掛けてしまった。
しかし自分の丈夫さだけは誇りたいと思う。
拝啓、お父さんお母さん。丈夫な体に産んでくれてありがとう。私には大切な物が出来ました。 それを守り抜く為には、沢山の覚悟が必要だった。
3日間は安静にしろと言われ、小鳥遊家にお世話になる事になった。
チビひなたは怒るかなと思ったけれど、前と変わらず…いや、以前よりずっと私から離れなくなって、素直に甘えてくる。
子供のご機嫌は私にはよく分からない。 けれど分かった事が一つある。 決心した事も一つ。 小鳥遊家でお世話になって3日目の夜に、樹くんに話さなければいけない事があった。
この家は、今日も向日葵が枯れない。きっと永遠に枯れずに、そこに存在するのだと思う。影や形がなくとも、向日葵さんの愛は今日もこの先もずっとこの家に溢れている。
彼女が愛した二人が居る限り。
その日の夜、樹くんは仕事帰りお寿司を買って来てくれた。
特上寿司だ。
大トロ、ウニ、いくら。思わず涎が出てしまう。
「きゃーん!美味しそう!チビひなたお寿司だよ?!お寿司!」
「うげぇ、僕あんまり好きじゃないんだよなぁー…」