【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
「けれどッ!同じ位好きならそれは俺でもいいという事ではないか?!」
「う……それは……」
「そいつは君の事が好きなのか?!
まだ片思いなら、俺にだってチャンスはあるだろう?!
だって俺は…君を離したくない…」
「いや、それは私の片思いで…」
「それならば、君は俺と居るべきだッ! 俺も君に話がある。
どうか俺とずっと一緒に居てくれ。一緒にこの家で…陽向と三人で暮らそう。
そうすれば君もそんな忙しく働かなくてもいいだろう? 頼むよ…。俺には、君が必要なんだ。
軽い気持ちで言っているのではない。俺は君との結婚も視野に入れている。」
言葉尻がどんどん弱くなっていく。 樹くんがこんな顔をするなんて…。
樹くんの真っ黒の瞳は真っ直ぐで、チビひなたと同じ。あの子もいつだってこういう瞳で私を見つめてくれた。
彼の気持ちを想えば余りにも嬉しくって涙がこみ上げる。
「泣かないでくれ。君の涙には弱い…」
「だって嬉しくて…私の事そんな風に思ってくれてたなんて」
「泣く程嬉しいなら俺の側に居てくれ…。
君の好きな男が俺より良い男だとしても、君を必要としている気持ちなら俺の方が上だ…」