【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー

私、子供は苦手だったはずなんだけど…何だろうこの温かい気持ちは。
恋愛とはまた違った、心にポッと明かりが灯るような優しくなるような不思議な気持ちは。

それにしても子供は順応能力が高い。 さっきまで敵意丸出しにしていたのに、一緒にゲームをしてお菓子を食べただけでこんなに距離が近づくとは…。

チビひなたはくりくりの瞳を輝かせて、別のゲームソフトを手に取った。

けれど時刻は気が付けば、21時半過ぎ。 明日も学校。この位の子供が何時に寝るかなんて子供の居ない私には全く想像もつかないんだけど、そろそろ寝かしつけなくてはいけないんだろう。

「そのゲームは今度休みの日にお父さんとやんな?
そろそろ寝ないと、明日も学校でしょう?」

「えぇー?
やだよ。僕まだゲームもしたいし、お菓子も食べたいッ」

唇を尖らせて、チビひなたは拗ねた素振りを見せる。

何かと理由を作ってまだ寝たくないと言ったけれど、何とか寝室まで連れて行って、明日の学校の準備をさせてベッドまで連れて行く。

チビひなたの部屋は、壁紙が空模様になっていた。

外が雨でもここへ来ればいつだって晴れた気持ちになるだろう、そんな明るい気持ちにさせてくれる。

リビングとは違い、綺麗に片付けられていた部屋には勉強机と本棚とベッドがあって、そのベッドの布団も心まで気持ち良くなるほどの明るい水色だった。

< 61 / 251 >

この作品をシェア

pagetop