【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
「な、何故に俺の名前を知っている?!」
「株式会社スターサンフラワー代表取締役社長。株式会社HINATAファウンダーの小鳥遊樹さんですよね?!」
「か、会社名まで…。何だ君は一体…」
裸のまま迫って行く私に対し、彼はじりじりと距離を取って行く。
さっきまでのクールな表情とは違い、どこか焦っているというか美しい顔を歪ませ、まるで犯罪者の如く私の顔を凝視する。
な、何でそんな目をするの?!さっきまで愛し合っていた仲だと言うのに…。
「私ッ…数か月前にあなたに一目ぼれしてしまったんです…!
だからまさかこんな素敵な夜をあなたがプレゼントしてくれるなんて夢にも思わなくって」
「君が何を勘違いしているか大体想像はついたが…
俺は、誰とも付き合う気はない。」
きっぱりと言い放ったその言葉で、天国から一気に地獄に突き落とされた。
さっきまであのベッドで愛し合っていたはずなのに、何故?!
「は……?」
「処女でもあるまいし、こんなの君にとっても火遊びのようなものだろう?」
「そんな…!私は本気で小鳥遊さんの事が好きなんです!」
「悪いが好きになられても困る。俺の事だけは好きになるな。」
「でも、もう好きなんですッ!今日の事だって忘れられる訳ありません!
ずっと好きだった小鳥遊さんに抱かれてキスをされて」