【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
「さっきから見ていたら、おばあちゃんの荷物持ちをしたり
人に道案内をしたり仕事中じゃねぇの?何さぼってんだよ」
いつから見ていたというのよ…。
「どうしたのー?今日は お父さんに会いに来たのかなー?」
「子供扱いするな」
なんつー可愛くないガキ。 来週末。動物園に良かったらチビひなたも連れて来たら?と樹くんに言おうと思ったけれど、やっぱり止めた。
折角の二人きりのデートだもん。こぶつきなんて嫌! 迷っていたけれど、もう迷わない。へっへーんだ。いいだろう?私あんたのお父さんと来週の土曜日動物園に行くんだぞー?羨ましいだろー?心の中で悪態をつく。
大人げなかったのは、一体どちらだっただろう。
「別にお父さんに会いに来たわけじゃない。 デカひなたがきちんと仕事をしているか見に来てやっただけだ。」
「学校は?」
「学校は今日は午前中まで。
3時になったら家庭教師が来る」
ふふんと何故か勝ち誇った表情でチビひなたは言う。
「へーチビひなた家庭教師なんかいるの?
そんなんつけられないようにお勉強頑張んないとね」
その言葉にチビひなたはカッと顔を赤くする。
「お前馬鹿か?僕はテストはいっつも100点だし、通知表も全部5だ。
家庭教師は学校の勉強が簡単すぎるから、もっと先の事を勉強するためにつけているだけだ。
お前と一緒にするな」