【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー

「そうか?学生時代から一緒だからそういう風には見た事がないな」

「樹くんがそういう風に見た事がなくったって相手はどう考えているか分かりませんよ」

「夏村は、奥さんの親友だった女性だ。君が思っているようなやましい関係ではない。
全く君と来たら愛や恋だそれしか頭の中にはないのか?」

「ん~、基本的にありません。
だって愛は地球を救うからッ!!」

ディスクの椅子に腰をおろし、資料を片手に持っていた樹くんは迷惑そうに眼を閉じため息を吐く。

「どこかの偽善番組のような事ばかり言うな。
それより一体何だって言うんだ。陽向が会社に来ていたようだが…」

「そうなんですよッ!チビひなたったら私の仕事している姿をこっそり覗き見して、今日も生意気な言葉を残していきました!」

「至急話があるっていうのは、そんな下らん事か…?」

「そうではありません…!
これを…!」

大きな音を立てて、先ほどぐしゃぐしゃになった参観日のプリントをテーブルに広げる。
見ていた資料をゆっくりと置くと、樹くんはそのプリントを手に取った。

「私にゴミだと言って預けていきました。」

「参観日の報せじゃないか」

「そうですよッ…。チビひなた…樹くんに届けに来たんじゃないのかな?
ゴミだって言ってたけれど。」

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