【完】#ただいま溺愛拡散中ー あなたのお嫁さん希望!ー
さらりとディスられるのはいいとして…。
私はきっとチビひなたの気持ちは誰よりも分かっている。
私はあの子みたいに有名な私立の小学校じゃなくって普通の学校だったけれど
親子行事がある時はいつだって悲しかったし、寂しかった。 そこに居るはずだったお母さんやお父さんはいない。
すっごく幼かった時は代わりに来てくれたおばあちゃんを恥ずかしいと思った事もある。…今になって思えば、おばあちゃんの優しさを素直に受け入れられなかった位子供だったんだ。
だからチビひなたがたとえ樹くんに来なくていいって言っているとしても、それはきっと我慢しているに違いない。
「でもきっと!きっと!樹くんが来てくれたらチビひなたは嬉しいと思う…!」
「だから人の話は聞いていたか?!デカひなた!」
「樹くんが行かないなら、私が行く!」
「何で身内でもないお前が陽向の参観日に行くんだよ?!」
「だって可哀想…!他のお友達はお母さんだったり、両親揃って観に来てくれるのにチビひなただけ一人ぼっちじゃん!」
「だから陽向はそういうのには慣れているって言ってるだろう?!
君よりはずっと大人で聞き分けがいい!」
「聞き分けが良い子程心の中で我慢をしているもんなんですよッ?!
どうして分かってあげないんですか?!」