夏と君は絶対に大嫌い
「あんたさー」
タワシで壁をこすりながら聞く。
太陽の日差しが強すぎて、ジリジリと音が聞こえてきそう。
「なに」
乱暴にブラシでザッパザッパこすりながら、不機嫌そうに聞き返してくる奴。
「ほんとにいいの?練習。大会近いんじゃないの?」
「うっせ、1日くらいサボっても余裕だわ、俺様だから」
「つーか一人称俺様ってほんと引く。どこの少女マンガ気取り?」
「黙れ」
ザッパア!とブラシで思い切り水を飛ばしてきた。全身ずぶ濡れになる。
「…最っ悪」
きらいだ。やっぱり嫌いだ。