僕を狂わせるもの
誰も疑いもしない僕の思い。
あなたは先輩の大切な人。
後輩の僕を大人になっても可愛がってくれる。
だから余計裏切れない気持ちが大きい。
その気持ちに並行して、あなたへの気持ちも膨れ上がっていく。
僕と二人で会うことを何の躊躇いもなく誘ってくるあなた。
今日はアイスコーヒーじゃないの?
苦いコーヒーの隣に果物たっぷり乗ったお洒落なタルトが置かれている。
〝 とっても綺麗だ 〟
〝 ほんとね 〟
あなたはタルトのことを言ってるんだろ?
違うよ?
僕はあなたのことを言ってるの。
そんな風にしか想いを伝えられない。
正直辛い…。
タルトを食べるフォークがブルーベリーを乗っけた。
〝 あ〜ん 〟
あなたが僕に差し出す。
まるで弟に食べさせるように。
あのさ?僕にとってその行為、間接キスな感覚なわけ!
そんなんでもドキドキすんのに、どんな顔して口を開けばいいのさ!
弄ばれてるようだよ!
くそっ!
その唇奪ってやろうか!
どんどん僕の心が剥き出しになっていく。
半分鬼の面が見え隠れする。
今日もなんとか弟という役割の仮面を被る。
でもいつ本性を剥き出しにするか分からないよ。
覚悟してろよ!
なんてな…。
きっかけがあれば、いや、衝動で?それとも覚悟?
何が揃えばあなたを手に入れられるのだろう。
僕が気持ちを打ち明けたら、その瞬間から、今の関係も壊れてしまうのかな。
すっげぇ苦しいです!
弟を卒業してもいいですか?