ダチュラの咲く夜に
教頭が血相を変えて教室に駆け込んだ時、時計の短い針は12で2本の針が重なっていた給食時より45度程右に傾き、僕はお手洗いに行きたいのを両足を擦りながら耐えていた。
「たった今、警察署から連絡があり、当校の刺繍の入った給食袋をホームレスが持っていたと…。」
生徒が一斉に顔を見合わせる。
後から聞いた情報によると、万引き常習犯のホームレス男性が挙動不審に辺りを見回しながらパチンコ店に入っていくところを駐在が発見し、店内まで後をつけたところ、僕たちの学校名の入った袋から輪ゴムで止められた札束を取れ出しており、不審に感じた駐在が声をかけたところ逃げ出したようだ。
定年を大きく上回る彼と30を超えたばかりで常日頃より街の安全のために鍛錬された体を持つ駐在さんではあまりに体力も異なり、
店を出てすぐに拘束の上事情を聞いたところ、白状したようだ。
朝、登校中の学生から今日が集金日だと言うことや集金袋の保管場所等を知り、給食直前の教室から人がいなくなった瞬間を狙いベランダから侵入したようだ。
下を俯いていた菊地目線は教頭に向き、ホッとしたのも束の間、すぐに怒りで肩を震わせながら平塚に向いた。
恐らく睨み付けているのだろう。
平塚の部が悪くなったような、苦虫を噛み潰した顔から察するに、一気に形勢逆転。
さぁ、どうする?平塚先生?ドラマのような展開に僕の心は少し踊り、気づけば尿意の事はすっかり忘れ、睨み合う2人に釘付けになっていた。
取り調べ中に真犯人が捕まったという知らせを聞いた刑事は目の前にいる冤罪をかけられた何の罪もない非力な少年に対し、どういった感情を覚えるのだろうか。いや、どう今までの自分の非礼を詫びるのだろうか。見ものだな。
「日頃からの行動があるから疑われるんだ。今後気をつけなさい。」
そう冷たく言い放った平塚の言葉に他教員達の顔からも納得の表情は見て取れなかったが、ようやく気まずさから解放された安堵を抱えながら、教室を後をしようとしており、何事もなかったのように平塚も続いた。
やっと終わった。まぁ疑われるのもしょうがないよな。と僕も思ったしこれで治るならと筆記用具を机から出そうとした。
「たった今、警察署から連絡があり、当校の刺繍の入った給食袋をホームレスが持っていたと…。」
生徒が一斉に顔を見合わせる。
後から聞いた情報によると、万引き常習犯のホームレス男性が挙動不審に辺りを見回しながらパチンコ店に入っていくところを駐在が発見し、店内まで後をつけたところ、僕たちの学校名の入った袋から輪ゴムで止められた札束を取れ出しており、不審に感じた駐在が声をかけたところ逃げ出したようだ。
定年を大きく上回る彼と30を超えたばかりで常日頃より街の安全のために鍛錬された体を持つ駐在さんではあまりに体力も異なり、
店を出てすぐに拘束の上事情を聞いたところ、白状したようだ。
朝、登校中の学生から今日が集金日だと言うことや集金袋の保管場所等を知り、給食直前の教室から人がいなくなった瞬間を狙いベランダから侵入したようだ。
下を俯いていた菊地目線は教頭に向き、ホッとしたのも束の間、すぐに怒りで肩を震わせながら平塚に向いた。
恐らく睨み付けているのだろう。
平塚の部が悪くなったような、苦虫を噛み潰した顔から察するに、一気に形勢逆転。
さぁ、どうする?平塚先生?ドラマのような展開に僕の心は少し踊り、気づけば尿意の事はすっかり忘れ、睨み合う2人に釘付けになっていた。
取り調べ中に真犯人が捕まったという知らせを聞いた刑事は目の前にいる冤罪をかけられた何の罪もない非力な少年に対し、どういった感情を覚えるのだろうか。いや、どう今までの自分の非礼を詫びるのだろうか。見ものだな。
「日頃からの行動があるから疑われるんだ。今後気をつけなさい。」
そう冷たく言い放った平塚の言葉に他教員達の顔からも納得の表情は見て取れなかったが、ようやく気まずさから解放された安堵を抱えながら、教室を後をしようとしており、何事もなかったのように平塚も続いた。
やっと終わった。まぁ疑われるのもしょうがないよな。と僕も思ったしこれで治るならと筆記用具を机から出そうとした。