青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~



「とりかいぃぃ!これやれっつったよなぁ!まさか忘れたとか言わねぇだろぉなぁ?」

「すみません。すぐやります」


いや、言ってねぇわ。こんなのやれなんて一言も言われてねぇわ。頭ボケてんのかキツネジジイめ。

あれから数日経ち、日に日に雑務と理不尽な押しつけが増え、私の心の声もズサズサに荒れる一方。

自分で蒔いた種だから、花が咲いて摘むまで一人で片付けようと言い聞かせ、なんとかやっている。
テンちゃんには仕事が忙しいからと連絡を断ち、エンジェルウィング病院には一度も行っていない。


今回は王子も睡眠も不足している、なんて考える暇もなく、毎日起きて出勤して残業して帰りは二十三時。帰宅したらお風呂に入って眠るだけ。
食事なんて気にしていられなかった。



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