青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
エンジェルウィング病院に行くことを楽しみに、キツネ上司にも耐えてきた。
でも今日は、行けなそうだ。
浪川部長に直せと言われたのは、明らかに部長本人がミスしたものだった。
とことん最悪な上司だと軽蔑しつつ、デスクに置いた資料の束を見つめ、二度目の大きなため息をついた。
自分の仕事を終わらせてから取り掛かったため、定時を二時間半ほど過ぎたところでやっと片付いた。
スマホ画面に写る時刻はとうに面会時間を過ぎているし、今日中にもってこいと言ったくせして部長まで帰宅しているしで、「あんのキツネめ」と悪態をつきながら三度目の大きなため息をつかずにはいられなかった。
会社から徒歩十分の私が住むマンションの部屋のベットで、浪川部長を振り払い王子を思い出しながら、眠りについた。