青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
「…大丈夫です。送ってくれてありがとうございました。お仕事、あるんですよね」
汲み取って私から言うと、テンちゃんは申し訳なさそうに眉を下げた。
「十六時半からオペ入ってる」
「なら早く行ってください。私なら大丈夫です。一人でも」
「……」
「ほら、早く!患者さん待ってます。行け!」
精一杯の笑顔を向けたのに、不安を読み取ったのかテンちゃんはなかなか行こうとしないので、私は無理やりテンちゃんを押し出す。
がちゃんと扉を閉めると、外から「ちゃんと鍵閉めろよ。なんかあったら電話しろよ」と聞こえた。
私はくすくす笑いながら、はいはいと返事をし、すぐに玄関の鍵を閉めた。
足音が遠ざかるのを聞き、ふぅと息をついて部屋に入る。