青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
キッチンの今朝使った食器は、洗われて綺麗に水切りラックに立てかけられている。
ローテーブルに置いたメモはそのままだけど、裏に「ありがとう」と書いてあった。
殴り書きのようなそれに、ふふっと笑みがこぼれる。
あんなことがあったのに一人でも笑っていられるのは、どこをどうとってもテンちゃんのおかげだ。
私は一人「こちらこそ」と呟き、疲れと安心で、テンちゃんから受け取った鍵を握りしめ、丁寧に掛け布団が畳まれたベットにダイブした。