青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
というか、鳥飼みやびはどこへ行ったんだろう。まだ七時半だぞ。
俺はお粥を食べながら考える。
…仕事か。
そうだ、兄貴にキツネジジイめの報告………
ポケットからスマホを取り出し、タカノミヤの社長、兄に電話をかける。
浪川のパワハラとセクハラの事実確認を済ませたことを手短に報告し、胃に優しい具なし粥を平らげた。
メモの通りに鍵をポストから出して施錠し、彼女のマンションを後にした。
彼女が置いていてくれた着替えは黒いスウェットと白Tシャツ。
親父さんは部屋着までオシャレなのかと密かに感嘆しつつ、自宅マンションに戻った。
ベリーヒルズビレッジのレジデンス、ニューヒルズは、無駄に高級感溢れていてだだっ広い。
最上階には名前こそ明かされていないがとんでもない資産家が住んでいるらしい。
俺の部屋は三階の角部屋で、親父と兄貴が勝手に買いやがった一室。
自部屋に入って着替え、借りたスウェットたちは洗濯機に洗濯してもらう。
鳥飼みやびに申し訳なくなるくらい遅い九時頃家をでてエンジェルウィング病院に向かった。