青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
天ヶ嶋蒼介さん、てぃーのさんが二号店を出すベリーヒルズビレッジタカノミヤの社長の、弟さんです!
とはとても言えず、あだ名なら大丈夫だろうと零す。
「…テンちゃん……」
「テンちゃん、なんか聞いたことがある……あっ!天ヶ嶋さんの弟さん!」
えぇ!なんで知ってるの!
結局バレちゃだよ!
「天ヶ嶋さんがね、弟はテンちゃんって呼ばれてるって、いつか言ってたのよ」
さすが、成績トップの優等生だっただけある。なんでもない会話から答えを見出すのが早すぎます…。
「不毛すぎるよね…」
知られてしまったなら、この際とことん話してしまおうじゃないか。
「でも、一緒に出かけたり、いい感じなのよね?ならそこまで不毛じゃないと思うけど…」
「ううん。一緒に出かけたのは一度だけだし、テンちゃんはただ…親友の義妹が倒れたから医師としてほっとけなくて…とかそんなとこ……」
「待った、みやびちゃん。
なんとも思ってない女なら、そこまで心配しない!いくら医師でも、そこまでしない!」
私の言葉を遮り、花菜ちゃんは気持ち良いほどきっぱり言い切った。
いくら医師でもそこまでしない、か。
本当にそうだとして、少しでも私に好意的だったら、それほど嬉しいことはない。
けど…テンちゃんには恥ずかしい所しか見せていないし……。