青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~


「あっ…ちょ、ここで待ってて」


テンちゃんは広い玄関に私を残し、廊下の奥の部屋に走っていってしまった。

何人分でも靴を置けそうな玄関は白基調。右手には靴箱らしき棚があり…黒い靴紐が少し飛び出ている。そして何故か靴が片っぽ落ちている。

テンちゃんが入った部屋の他にも、廊下には複数の扉がある。

一体どれだけ広い部屋なんだと感動するのは、まだ早かった。

しばらくして戻ってきたテンちゃんに続いて廊下を進み、一番奥の部屋に入る。

こちらも白を基調とし、黒、グレーをアクセントに、同じ種類の家具が揃えられている。

リビングルームの真ん中に、テレビの芸能人のお部屋紹介なんかでしか見たことのない大きなグレーのソファ。正面の壁掛けテレビは、エンジェルウィング病院の病室のものより更に大きい。

ソファが一番存在感があるが、決して狭くは感じないのは高い天井のせいだろうか。

リビングルームに続いて六席のダイニング。

システムキッチンは白と黒で成り立ち、家電も二色で揃っている。
綺麗に整えられているから、普段よく使われているのが分かる。

少し暗めの証明が、部屋全体にキラキラのトーンが貼ってありそうな雰囲気を晒しだしている。


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