青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~


「や、やだなぁ。惚れてるなんて、冗談にも程が……」

「今は冗談でいいけど、俺だってやときゃやるんだからな」


や、やるときゃやる、とは。

意味深な彼の言葉をスルーするのはいいけど、惚れてると言われ、傍らで沸騰するお湯と一緒に、私も沸騰しそうになる。

だめ。だめだめ。考えたくないけど、テンちゃんはこういうこと言い慣れてるんだよ。
気をしっかりもて。相手は王子だよ。

女のひとりやふたり…そこまで考えて、さすがに失礼だと思い直す。


「どうせ言い慣れてる…とか思ってるだろ」

「なっ…!」


図星をつかれ、間抜けな声がでる。


「そんなたらしじゃないよ。今はお前しか見えてないしな。」

「ひっ!?」


ひぃぃ!その顔でその台詞!
反則……!

こんな調子じゃ、絶対心臓持たない…!


「…テンちゃん…そういうこと、他の人に言わないでくださいね」


はっ、やばい。
私ったらなんてことを……!


「…みやびも、そういうこと他の男に言うなよ。独占欲――」

「あー!その先は言わないでください!!忘れてください!ね!」


そう、まるで彼は私のモノ…みたいな発言…完全に失言よ!

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