青いスクラブの王子様。~私が惚れたのは、一等級の外科医だった件~
「しないよ。みやびにしか。
……信用ないみたいだから、これから証明してってやるよ。惚れた女にしかキスはしないってこととそれがみやびだけだってことも。」
どうやら前者でも、後者でもなかった…らしい。
口に当てた手はあっさり取り払われ、クイッと顎を持ち上げられる。
直後、「わかった?」と鼓膜に直接届けるように囁かれ、私はこくこく頷く他なかった。
否定も肯定もしないでいると持ち上げた顎を離してくれなそうだったし、何より彼の声は普段よりも低く、腰が抜けそうなほどクラクラしたから。
この王子様には到底敵わない。
それは私が、彼に恋をしているから…なのかも。