不埒な関係
「俺さぁ、このサークル入ったの、間違えた」
「うん。だからイズミくんがとめよ?」
きっと小田切さん、イズミくんの言う事だったら聞いてくれるから。
ね?お願いだからそうしようよ。
新歓を迎えることになるであろうその日を思って、一瞬気分が悪くなる。
その時の私のダンス音痴がバレるその時を想像すると最悪だ。
きっと白い目で見られる。というか、絶対練習、怒られるよ。
酷く他人事な様子のイズミくんは、「しくじったなぁ~」と言いながらJPOPを口づさむ。
「でも寿さんが踊るの見るのも面白いかもね」
ふと頭に浮かんだのだろう。
ふっと目尻を下げてそう言ったイズミくんは、私の横に立ったまま前髪をかきあげる。
何だかとっても様になるその姿は、流石去年の、ウチの大学のミスターコンを1位をとった男だと思う。
まだ去年は1年生だったクセに。