今日から不良王子と同居します。
ひとつ屋根の下でメッセージを送りあうなんて変なの。


会いに行けばいいんだけど、ちょっと踏ん切りがつかない。


時計を見たらもう23時。


夜遅くに男の人のお部屋に行くなんて勇気が出ない。


ばあやに見つかったらどんなにお小言を言われるかしれない。


1階の彼の部屋に行くまでにはきっと誰かに見つかってしまう。


なんだかそれも恥ずかしい。


【寝てる?】


【起きてるよ。風呂入ってお菓子を食べながら勉強してた】


【お菓子?またコンビニに行ったの?】


【うん、音葉さんにチョコレートを買ってきたけど食べる?】


以前にも彼からお菓子をもらったことがある。


コンビニで売っている見たこともないお菓子で、棒状のビスケット生地にチョコがかかっているもの。


とっても美味しくて気に入ったって言ったら彼がまた買ってきてあげるねって言ってくれたんだ。


ばあやはあんまり、市販のお菓子は食べさせてくれないし、なにより私はコンビニに行ったことすらない。

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