今日から不良王子と同居します。
「なんだ。ほんとに来たの?誰にも見られてない?」


「う、うん」


モジモジしながら彼から視線をはずして頷いた。


血管が透けそうなくらいに白い肌が眩しくて直視できない。


玲生くん呆れてるのかな。


「まさか本当に来るとは思わなかったな。驚いた」


驚いたって言うわりには余裕のある落ち着いた声。


私の方は恥ずかしくてちょっと手が震えてしまってるのに。


やっぱり、なんだかすごくいけないことをしてしまってる気がする。


こんな夜遅くに男の子の部屋にこっそりと忍んでくるなんて。


「音葉さん、俺だからよかったけど、普通こんなことしたら襲われちゃうよ。音葉さんみたいな綺麗な人が夜更けにパジャマ姿で男の部屋に来るなんて」


「ごめん、そういう意味ではなくて」


うわーどうしよう、またからかわれちゃうかな。


って覚悟したけれど、彼は真顔でフーって息を吐いた。


「わかってる、音葉さんがなんにも考えてないってことくらい」


「へ?」


なんにも考えていないだなんてちょっぴりひどいな。


「だって」


「お腹がすいてたの?」

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