今日から不良王子と同居します。
またどうしてだか恥ずかしくなって、頬が熱くなった。


逆らうって程のことでもないつもりなんだけど。


「ばあやの言うこと、いつもちゃんと聞いてるもん。たまには、やりたいことしてもいいと思う。ばあやが心配してるようなことなんにもないんだし」


どうしてだろう、明日香ちゃんの瞳が鋭くて私はだんだん小さい声になってしまう。


「彼はそんな人じゃないの。はじめあった日にはああいうことをしてきたけど今は全然……」


「ほんとに?」


明日香ちゃんにこんなに真っすぐに見つめられると、心が丸裸にされてるみたいな気分になるなあ。


「うん。彼とはお友達っていうか弟みたいっていうか…」


そしてとうとう私から、目をそらせてしまった。


嘘をついてるわけじゃないのに、まったく本当のことを言ってるわけでもないような気がする。


「ほらそういうとこ、もっとうまくやらないと。音葉は」


彼女はもうお手上げっていう風に首を振る。


「ちがうよ、そういうんじゃ」


「私の前でなら構わないけど、直政の前ではもっと気を付けないと」

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