今日から不良王子と同居します。
神崎家の子息ならうちの高校に入学するほうがよっぽど自然なのに、どうしてあんな不良高校に入ったんだろ。


ううん、でもそんな言い方よくないか。あの高校にだって、どこかしら魅力があるのかもしれないし。


玲生くん自身が今の高校を気に入ってるみたいだし悪いところばかりじゃないはずだよね。


「いずれにしろ、普通の御曹司ってわけじゃなさそうだ。不良ばかりの星之坂で喧嘩が強くて有名らしいじゃないか」


確かに、かなり喧嘩慣れしていそうだったな。
実際そのへんのとこを玲生くんに尋ねても、うまくはぐらかされてしまうけど。


「大丈夫なのか?音葉。そんな不良を家に住まわせたりして」


言いながら直政くんがだんだんと不機嫌そうな表情になる。


そのことに気が付いていたけど、だからって玲生くんを我が家から追い出すつもりなんて微塵もない。


「うん。ありがとう直政くん心配してくれて。でも大丈夫だよ。彼は……」


「弟みたいなものなんだよね?音葉って兄弟とかいないから、不良って言うのも物珍しいし。お姉さんみたいな気持ちで見守ってあげたいんでしょ?」


「明日香ちゃん、物珍しいだなんて私は」

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