今日から不良王子と同居します。
「平気なわけじゃねーけど」


えっ、それてどういう意味かな。


玲生くんがボソッと呟いた言葉にひっかかったけど、そこはあえて聞かなかった。


「いいから、お前はしゃんとしろって。
音葉さん、俺いまから遊びに行ってくる。今日遅くなるし晩飯はいらないから」


私に向き直った玲生くんに突然そんなことを言われて、えっ、てなった。


「そうなの?今日は一緒にお夕飯を食べれないのね、残念だわ」


これまでの私は父がめったに家に戻ってくることがなかったからいつも一人で食事をしていた。


それが当たり前になっていたけれど、彼が来てからは一緒に食卓を囲むようになってにぎやかになったことがひそかに嬉しいんだ。


ひとりきりで食べる食事よりも、誰かと一緒に食べたほうが2倍3倍に美味しく感じるから。


「ああ、ごめん。帰り遅くなると思うし」


「えっ遅くなっちゃうの?7時は越える?」


「まあ7時なんて余裕で超えると思うけど」


「そんなに遅くなるの?どこへ遊びに行くの?」
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