今日から不良王子と同居します。
その時、直政くんが今まで聞いたこともないような厳しい声をだした。


そして、冷たい目で玲生くんを睨んでいる。


「嫌だって言ったら？」


これに対して、玲生くんはこともあろうに挑戦的な口調で返事をする。


「れ、玲生くんっ」


マズいと思った私は力いっぱい、手を引っ張って玲生くんの手から逃れた。


「も、もう。彼ったら冗談ばっかり言う人で。アハ」


ふたりの顔色をうかがいながら、訳の分からない愛想笑いをする私。


なんだか嫌な予感。


ちょっと殺気立ったような雰囲気。


特に直政くんが、珍しく不愉快そうな表情を隠そうともしない。


なんだろう、なんだか今彼らふたりの間にものすごい緊迫した空気を感じるんだけど。


「この人が、幼なじみのなおまさくんか。へーカッコいい人だね。音葉さん」


心がこもっていないような棒読みの話し方の玲生くん。


わっ、やめてったらそんな舐めたような態度。


「君が神崎玲生くんか、あの神崎グループの家出少年」


対する直政くんは冷静にやり返す。

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