今日から不良王子と同居します。
その感情を抑えているような眼差しがより一層私を緊張させた。


直政くんは威圧感たっぷりに玲生くんを見下ろす。


ふたりとも身長180センチ以上で背が高いけれど、直政くんの方がほんの少しだけ高い。


だけど、細身の玲生くんよりもガッシリしていて貫禄がある直政くん。


ううん、貫禄があるのは多分体形だけじゃない。


私と違って年上の威厳みたいなものがあり、堂々としている。


「家出少年じゃないっすよ。俺、父に言われて音葉さんちに居候してるんですから」


「ふうん、いつまでいる気だ?」


「さあ、わかりません。凄く居心地がいいんで。
音葉さんは綺麗で優しいし自由にさせてもらえるんで言うことなしです」


にっこりしながら答える玲生くんはなぜか目が笑っていない。


「ふうん自由ね。そんなことを言ってるようじゃ俺の思ったとおりまだまだガキだな」


「あなたは俺が見たところ、非の打ちどころのない優秀な御曹司って雰囲気ですね。
真面目で、融通は利かなそうだけど」


玲生くんっ、いちいち棘のある言い方しないでったら。
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