今日から不良王子と同居します。
いやそれは直政くんだって同じか。


一体どうして初対面の二人がこんな嫌味の言い合いを始めるんだろう。


「君なんかにそんな風に言われたくないな。

君は自由に生きてるつもりだろうが、親の庇護の範疇からは抜け出せない中途半端な奴ってだけだろ」


直政くんは忌々しそうに玲生くんを見て攻撃の手を緩めない。


「それに、音葉を迎えに来たって聞いたけど、ボディーガードのつもりかしれんが、君のような奴と一緒に歩いていたら余計に彼女が心配だ」


「どういう意味ですか？」


玲生くんはあからさまに憮然とする。


「君は星之坂工業一の不良だそうじゃないか。
随分と有名人だ、街を歩いていたら変な奴に、からまれるんじゃないか？
そんな奴と一緒にいて音葉にもしものことがあったらどう責任を取るつもりだよ？」


「は？誰が来たって俺は彼女に指一本触れさせないですけど」


玲生くんはすかさず反論する。


だけど、直政くんはフッと鼻を鳴らす。

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