今日から不良王子と同居します。
気が付けば玲生くんを庇うように、夢中で直政くんに言い返していた。


さっきから二人の迫力に黙って見ているしかなかったけれど、直政くんが言い過ぎなような気がして我慢できなかった。


「へえ、うまくとりいったものだな。年下だからって音葉を油断させてるわけか。それとも音葉の優しさに漬け込むつもりなのかな」


直政くんは私が割って入ったからイライラしてるみたいだった。


「やめて、そんなことを言うの直政くんらしくないよ」


「音葉、君は男を知らなさすぎるよ。
彼だって君のそういうとこをわかってて、つけ入る機会を探して……」


「やめてったら、玲生くんはそんな人じゃないよ」


「音葉……」


こんなの悲しいよ。


だって直政くんは普段から思いやりがあって優しい人なのに。


さっきからこんな酷いことばかり言うなんて。


人を馬鹿にしたような言葉を吐く彼にガッカリしてしまいそうだった。


そんなの見たくない。


私の知ってるいつもの彼らしくなくて嫌だった。


気が付けば、目頭が熱くなっていて今にも涙が零れそう。

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