今日から不良王子と同居します。
頭に血が上ったみたいに感情が爆発寸前で自分でも訳が分からない。
「音葉」
ハッとしたように私を見つめる直政くん。
「……」
「ごめん。言い過ぎたな」
直政くんは玲生くんにではなく私に対して謝ってくれた。
「音葉のことが心配でつい……」
彼は、私がここまで怒るなんて予想してなかったみたいでちょっとシュンとしてしまった。
あれ、いつもの直政くんに戻ってくれたの?
そんな風に思ってホッと胸を撫でおろす。
でも、私ったら興奮してたから、ついついきつい口調になっていたかもしれない。
って気の弱い私は気にしていたら、玲生くんが直政くんに突然、謝りだした。
「すいません、悪いのは俺の方です。生意気言ったから。
俺、別に直政さんに喧嘩売りたいわけじゃないんで」
「……」
直政くんは驚いたような顔をしてるけど、黙って玲生くんをじっと見返す。
「俺って余計な一言が多くて。
だからよく失敗しちゃうんですよね。
俺、直政さんみたいな人嫌いじゃないですよ。
俺の兄貴と同じで真面目な人だなって思っただけで。悪気があって言ったわけじゃないから。
あ、ちなみに俺、兄貴のことは尊敬してるんで」