今日から不良王子と同居します。
「オー直政、ご愁傷様。汝の婚約者は超鈍感ガール。アーメン」


外人さんみたいな口調でおどける明日香ちゃん。


「明日香ちゃんたら」


「実際のところ、私は玲生くんよりも直政を推してあげたいかな。
これまで、あいつじれったくなるくらい音葉のことを大切にしていたんだから。それを横入りしてきた年下なんかに絶対に渡したくないんでしょ」


「玲生くんのことは誤解なんだよ」


「だけど、音葉が彼と仲いいのは事実じゃないの?今日だって……」


「え、そうかな?私達ってどんな風に見えた?」


「うーんそうね、真面目な姉とやんちゃな弟」


「そうでしょ、玲生くんとはそんな感じでしょ。」


「でもこのまま放っておいたら確かにまずいかも」


明日香ちゃんは意味深なことを、低い声で言う。


「へ?」


「なんでもない。とにかく、音葉、しばらくは直政を刺激しないように気をつけなきゃね。
直政のことだから、本当に玲生くんを追い出しかねないよ」


「気を付けるってどうやって?」
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