今日から不良王子と同居します。

私は唾をこくりと呑み込んだ。明日香ちゃんは私よりも直政くんをよく知っているから、アドバイスが欲しい。


「そうだな、もう少し婚約者らしくしてあげたら？」


「それはどういう？」


「だから少しはイチャイチャさせてあげるとか」


「えーっ」


明日香ちゃんの言うところのイチャイチャの意味を察して顔が熱くなった。


「ちょっと、明日香ちゃんっ」


「アハハ、でもそれが一番現実的な方法だよ。音葉が直政を安心させてあげたらあいつ絶対おとなしくなるって。
玲生くんのことだって寛大になってくれるはず」


うー、もう明日香ちゃんたら―。


だけど、そうか、直政くんに玲生くんのことで過剰に心配させなければいいのかも。


それには直政くんと私の関係をもっと親密なものにすればいいのか。


イチャイチャは別として、婚約者として彼ときちんと向き合わなきゃ。