今日から不良王子と同居します。
彼の大きな手は私の髪を撫でる。
まるで、愛しいものに触れるようにゆっくりと優しく。
「君って、ほんとに綺麗だ」
ため息混じりの声が鼓膜をふるわせる。
見上げた私は彼の美しく光る青い瞳に丸ごと心を持って行かれていて。
この人はなんて妖しい魅力をまとっているんだろう。
これまでに会ったどんな男の人よりもずっとずっと心をとらえて離さないような。
だから、ぼんやりと見惚れてしまった。
そして、次の瞬間なにが起こったのかわからなかった。
パチパチと数回、
瞬きをする間に。
熱い唇が重ねられていた。
そのまま、私は動けないほど甘美な夢の中へ溶けて。
深いところまで落ちて行った。