今日から不良王子と同居します。
だって、ここでいきなり目を覚まされたら恥ずかしくて卒倒してしまうよ。


そうだ、もうひとつ大切なことをチェックしておかないと。


ドキンドキン、心拍数が上がる。


そっとかけ布団をめくって彼の服装を確認。


よかった、パジャマを着てる。


そして肝心の自分の方の状態はというと。


うん、ちゃんとパジャマを着てる。全然乱れていない。


とりあえず、私達、いろいろセーフってことだよね。


時計を見たら朝の6時。


そろそろ、使用人のみんなが朝食の準備に取り掛かる時間だ。


急いで自分の部屋に戻ろうと思って、彼の頭の下からそーっと腕をぬこうとした。


「ん……」


彼がかすかに声を漏らし、身じろぎする。


その様子に思わず胸が高鳴った。


やだ、私ったらなにを見惚れちゃってるの?


だけど、このまま腕を引いたら玲生くんを起こしてしまいそうで躊躇していた。


うわ、玲生くんて睫毛が長い。


ふいに、朝の光に照らされたその安らかな眠りを覚ましてしまうのがもったいないような気がした。


とっても気持ちよさそうに眠る彼はまさに天使。

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