今日から不良王子と同居します。
膝枕のような体勢で、彼の顔は私の太もものあたりに沈んでいる。


絶対に口に出しては言えないけど、寂しそうに甘える彼が可愛いとおもった。


「いつか、音葉さんは直政さんと結婚するんだね。安心して、それまでには俺、ちゃんと出て行くから」


「え……」


彼の口から出て行くって言葉を聞いて、複雑な気持ちになる。


「結婚か……」


彼はギュッとシーツを握り、ため息をこぼす。


「重いよな、実際。あの人」


「直政くんのこと?」


「俺なんて、将来のことなんてまだ何も見えてないのに。あの人の言うとおりただの家出少年だもんな」


「はぁ。いろいろとショックなことがありすぎて正直、気が滅入る」


何だかひどく落ち込んでいるみたい。
どうしたんだろう。直政くんにいわれたことがよっぽどショックだったのかな。


そんなに落ち込まなくてもいいのにって、励ましてあげたいな。


「玲生くんはこれからじゃない。神崎家で何があったのか私にはわからないけど、きっと真面目に頑張っていれば、ご家族とのこともうまくいくよ」

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