今日から不良王子と同居します。
「あ、あの、今日ね明日香ちゃんがこんな話をしてたんだけど」


少しでも話をしなきゃって思ったら、結局苦し紛れに出たのは明日香ちゃんのこと。


「え、ああ」


彼は曖昧な返事をする。


またかって思われたかな、私ったら困ったらすぐに明日香ちゃんのことばかり話しちゃうから。


「明日香がまた面白いことでも言ってたの？」


「う、うん」


だけど優しい彼はすぐに会話に乗ってきてくれたからホッとした。


直政くんとふたりきりって慣れてないし、しばらくは仕方がないよね、これからはもっといろんな会話ができるように準備しとかなきゃいけないな。


そう思いながら、カフェテリアでの食事をしていた。


そして最後にお会計を済ませた後に彼はこう告げてきた。


「今日の放課後、音葉の家に行ってもいいかな？」


彼は、緊張しているのか硬い表情で尋ねてきた。


「え、ええっと。うん、もちろん」


彼のお願いを断ることなんてできない。


だけど、無意識に自分の足元に目線を落とした。


「やっぱいかないほうがいい？」

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