今日から不良王子と同居します。
そんな私の様子にすぐに気が付いた彼は、ちょっと不安そうな顔をする。


「そ、そんなことないよ」


家に来ると聞いて妙に緊張してしまって。


その時、必死に頭を巡らしていた。


今日は玲生くん、どういう予定だったかな。遅く帰るって言ってなかったかな。


直政くんは、うちに来たとしても自分自身も習い事や勉強等で忙しいのであまりゆっくりはできないみたい。


だからいつも1時間くらいで帰ってしまうんだけど。


どうしよう、彼らが鉢合わせしたらちょっと嫌だな。


せっかく、直政くんを不安にさせないように頑張ってるのに。


うちで玲生くんの顔を見たら、またどんなふうに話が転がっていくかわからないなって不安だったから。


「あ、あの、今日はどこか別のところへいかない?」


ふたりを会わせたくなくてこんな提案をしてみた。


「いや、俺は音葉の家に行きたいんだけど、あんまり時間がとれないし」


「そっか…」


やっぱり駄目だよね、直政くんは外へ遊びに行くよりもうちへ来て、のんびりしたいみたい。


「わかった、じゃあばあやに連絡しておくね」


「ああ、よろしく」

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