今日から不良王子と同居します。
彼は嬉しそうに私を見つめ返す。
そんな顔を見たら、やっぱり断らなくてよかったと思う。



教室へ戻ったら、明日香ちゃんがほかの女子の友達たちと話していた。


相変わらず明るい笑顔でグループの中心にいる。


なんだか彼女の顔を見て急にホッとした。


だけど、そんな風に感じたのは私だけじゃなかったのかも。


「あー直政っ。ちょっとあんた顔を貸しなー」


明日香ちゃんが、おどけたようにすごんで彼の方へ近寄るとさっきまでの表情とは打って変わったような自然な笑顔を浮かべる直政くん。


「おっ、なんだよ明日香。フグみたいな顔してるぞ」


あれ、声のトーンまで違う。


そのまま明日香ちゃんは教室の隅っこへ彼を引っ張って行ってしまった。


ふたりで、なにやらコソコソ話しているようなんだけど直政くんは、楽しそうなリラックスした雰囲気でさっきとは別人みたいだった。


さっきの私達とは違って会話が弾んでるみたい。


そうだよね、明日香ちゃんはおしゃべりもうまいし明るくて頭もいい。

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