今日から不良王子と同居します。
「いつも3人一緒だったね」


「そうだな、明日香って子供の頃、男の子みたいだよな」


「そうかな」


「うん、音葉は昔からおしとやかで可愛かったけど」


「え」


「あ、いや、ほら、子供の頃は、いや子供の頃だけじゃなくていまでも……」


彼はそう言って頬を赤らめるからドキッとしてしまう。


直政くん、私のことをそんな風に思っててくれてるんだ。


「あ、ありがとう」


そんな彼の様子をみた私もどぎまぎしてしまったけれど、なんとかお礼を言った。


なんだか不思議。


直政くんとこんな会話をしていること自体、信じられないな。


だけど、少しづつ少しづつ、彼の気持ちが伝わってくる。


だから私も彼の気持ちに追いつくように努力していきたいなって思うんだ。


大丈夫だよね、直政くんは優しいし私を一番におもってくれているから。


私達きっといつかいい夫婦になれるはず。


結婚ってまだまだ程遠くて何にもわからないけれど、彼とならずっとこんな穏やかな気持ちで一緒に過ごしていけるだろうなって思った。

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