今日から不良王子と同居します。
「へえ、彼のことに詳しいんだな。結構ピュアだって?
一緒に食事してるだけでどうしてそこまでわかるんだ?
食事中も話はしたらいけないんだよね?
それじゃあ一体いつそんなことがわかる?」

彼にしては珍しく意地の悪い言い方で、少し怖いって思ってしまった。


彼との間にピリッとした空気が流れて足がすくんでしまいそうだった。


駄目だ、私の浅知恵で、彼のような人を欺けるわけなんてないんだ。


「あ……。ええっとそれは」


「音葉」


でも、私はどうしても本当のことは言いたくなかった。私と玲生くんがこれまで築いてきた関係のことを直政くんには知られたくない。


もしも直政君が知ったら、きっといい気はしないだろうってわかるから。


玲生くんをこの家から追い出されるなんて絶対に嫌。


どうしてもどうしても、それだけは阻止したかったの。


「お願い、直政くん、とにかく私を信じて」

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