今日から不良王子と同居します。
運動不足かな。


そういえばこんなに必死になって走ったのはいったい何年ぶりだろう。


学校の運動会だってこんなに早く走れないよ。


しばらくまっすぐに進んだら交差点で信号待ちをしている玲生くんの後ろ姿が見えた。


よかった、追いつけた。


「玲生くん、玲生くん」


10メートルほど先をあるく彼に声をかけたけど聞こえていないのか気が付いてくれない。


すっかり息が上がってしまって苦しい。


背中にじんわりと汗がにじんできているのが分かる。


だけど、力を振り絞って一生懸命に走った。


「玲生くん、待って」


彼の背中に声をかけたけど、もう走れなくてのろのろと歩いてしまう。


「待って、お願い」


こんなことなら、毎日車で送り迎えなんてされないでもっと身体を鍛えておけばよかったかな。


情けないくらい体力がないんだから。


遠ざかる彼の背中。


もう追いつけないのかな。もどかしいよ、もうすぐのところにいるのに。


「玲生くん」


もう一度、大きな声でさけんだ。

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