今日から不良王子と同居します。
私ってこんなに大きな声が出るんだ。そんなことに気が付いて自分で自分にびっくりしていた。


だけど、彼は立ち止まってはくれなかった。


そんな、せっかくここまできたのに。


「きゃっ」


歩いていたら何でもないところで、つんのめって転んでしまった。


冷たいコンクリートの地面にペタンと座り込む。


もう歩けないよ、苦しい。


転んだ拍子に膝をすりむいてしまったみたいで、ひりひりして痛い。


地面をむなしく見つめていたら、背の高い影が近づいてきて私の前で止まった。


「大丈夫?」


そして、下を向いてうずくまっていた私の上から声が降ってきた。


すぐに顔を上げたら、青い空と同じ色の彼の瞳。


その美しい輝きに釘付けになる。


「玲生くん」


彼は私の前にしゃがみこむと顔をしかめた。


「うわ、痛そうだな」


「平気だよ」


よかった、彼が戻ってきてくれた。そう思ったら嬉しくてこんな怪我くらい全然平気に思えた。


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