今日から不良王子と同居します。
低い声で彼の背後から、幽霊のように近づくばあやはかなり恐ろしい。


彼は思わず、まずいって顔をして肩をすくめる。


「はいわかりました、もう黙りますから。もう説教は勘弁してよ、おばあちゃん」


だけどあんまり、反省していなさそう。


おばあちゃんだなんて呼び方にちょっと笑ってしまいそうになるけど我慢我慢。


「昨日は、このおばあちゃんにさんざん説教されて大変だったんだよ」


ブツブツ言いながら、彼は飄々と食事の続きをする。


「昨夜言ったことを忘れないでくださいませよ」


「はいはい、音葉お嬢様には手を出しては行けませんってことだよね？だったら彼女が俺にちょっかいだしてくるぶんにはオッケーってこと？」


なになに？なんの話をしてるの彼は。


私が彼にちょっかいをだすわけがないでしょ。


だけど、一瞬思い当たることがあって、ドキドキと心拍数があがる。


昨夜の私、彼を無理やり部屋に引き入れて抱きついてたっけ……。


それって彼の言うところのちょっかいのうちに入るのかな。

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