今日から不良王子と同居します。
お兄さんだって、玲生くんのことをあんなに心配してるくらいだもん。弟にちゃんと愛情を持っている証拠だよ。


このままだといつか、お互いの気持ちはすれ違いねじれてしまうかもしれない。


でも今ならまだ間に合うんじゃないかな。


「話してって言われても、俺上手く説明できないかも。
さっき兄さんに泣かれちゃってさ、なんだか自分のやってきたことが正しいのかどうかよくわからなくなってきた」


彼はひどく混乱していて不安そうな表情。


おそらくお兄さんのあの涙を見て動揺しているんだ。


「うまく説明できなくてもいいよ、玲生くんの言葉で思ってることを話して」


私は起き上がってそっと彼の手を両手で包み込んだ。


彼の手はひんやりと冷たかったから、暖めるように撫でてあげた。


彼は頼りなげに瞳をさまよわせていたけれど、私をまっすぐに見つめて小さく息を吐いた。


「音葉さん」


「大丈夫だよ、私に話して。ちゃんと全部聞くから」


彼はコクンとうなずいて、彼と彼のお兄さんとの間に起きていた事を話し始めた。

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