今日から不良王子と同居します。
「俺、次男だからわりと自由気ままにやってきたんだよ。どうせ跡継ぎは兄さんだっておもっていたし、俺はそういうの興味がなかったから。
けど、中学に上がってから突然雲行きが変わってきて父や父の側近たちが俺にも目を向けるようになったんだ。
俺、わりと何でも器用にできたんだよね、勉強も運動も大して頑張らなくても人並み以上に」


「う、うん。そうなんだ」


確かに、彼の学校の先生や直政くんが聞いてきた話にもあったように玲生くんはかなり優秀な頭脳を持っているようだった。


「それから社交界のちょっとしたパーティーに連れていかれるようになってさ、父は俺が注目されたら凄く嬉しそうだった。
それから、縁談の話がたくさん来るようになってますます、父が俺にばかり期待するようになってきて……」


中学生の彼はどんなだったんだろう。さぞかし美しい少年だったに違いない。


社交界で人気を集めないわけがない。


少なくとも、あのお兄さんに比べたら。

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