今日から不良王子と同居します。
お兄さんが良くないってことではなくてたぶん玲生くんが生まれ持っていろんなものが恵まれすぎているんだ。


大袈裟ではなくって玲生くんは特別な人なんだと思う。


そんな何もかも兼ね備えた特別な人に比べられたら。


それは、比べられるだけで気の毒だ。


「俺がいけなかったんだ。
父の会社で開発中のロボットがあってさ、研究チームにどうしても参加したくて入れてもらったら大人たちが俺のことを天才だって言って持ち上げだしたんだ。
それからは、父が跡継ぎは兄でなく俺にも可能性があるって言いだして。
悪いことに、母まで俺のことを応援しだすものだから、兄としたら辛かったと思うよ」


そうか、悲しいことだけど彼のお母さまは血のつながった我が子の方を、跡取りに選んで欲しいっておもったのかもしれない。


「そうだったんだ。じゃあつまり玲生くんのお父様は神崎家の跡取りとして兄弟二人を競わせようとしたってこと?」

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