今日から不良王子と同居します。
「けど、最近はこれでいいのかなって思うときもあって。気持ちが揺らいでたって言うかもちろん兄よりも上に立つことなんて望まないけど、せめて好きな人を幸せにできるくらいの地位があればって……」
そう言った彼は、私の手を強く握り返してじっと見つめてくる。
彼の青い瞳は切なげで思わずキュッと胸が鳴った。
「だから、今日パーティーに来たのかもしれない。兄のためにって決心したつもりでいたくせにマジでカッコ悪いよな、俺……神崎の名が惜しくなったんだから」
それって、どういう意味?
好きな人っていきなりなんの話なんだろう。
「そっか、玲生くんは好きな人がいたんだね」
知らず知らずに瞳をそらしてしまう。