今日から不良王子と同居します。
彼と両思いだなんて、夢にも思わなかった。


けれど、私には婚約者が……直政くんがいる。


私はいずれ直政くんと結婚する。


それは、もう私の中で納得していたこと。


だけど、玲生くんの告白を聞いたら、一瞬心が揺れる。


そんな、どうしょうもない自分の意志の弱さに嫌気がさす。


でもやっぱり今すぐに答えなんてでない。


「……」


「そんな困った顔しないで、音葉さん。俺ちゃんとわかってるから。音葉さんが直政さんを裏切れるような人じゃないってこと」


なんて返事をしていいかわからない。


だけど彼は私の答えを求めてはいないように見えた。


「だから、もうそろそろサヨナラしなきゃいけないって……そう思った」


サヨナラって言葉が胸に刺さったように痛い。

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