今日から不良王子と同居します。
それからの私は胸にぽっかりと大きな穴が開いたように寂しくて。
でもそんな気持ちは誰にも言えなくて、こっそりと一人で自分の部屋にいるときにシクシク泣いていた。
邸の中は何も変わらない。彼だけがそこにいないだけ。
それが辛くて悲しかったけど、玲生くんのいなくなった部屋に夜中にまたこっそり入っては彼のことばかり考えていた。
でもまだ、彼の荷物が全部そこにあったから一縷の望みを持っていた。
彼はもう会えないみたいに言ってたけど、大事な勉強道具もつくりかけのロボットもそのままここにある。
だからきっとこの荷物を取りにここへ来てくれる。
その時にまたきっと会える。
もう一度だけかもしれないけど、きっとその時に会える。
ばあやは、荷物を全部まとめて神崎家へ送りましょうって言ったけど、私はどうしてもそれだけはやめてって懇願した。
私のあまりの切羽詰まった様子にばあやは眉をひそめたけれど、荷物はそのままにしておいてくれていた。